直前の無理な行動は逆効果?
健康診断の前に、急なダイエットをしていませんか?よかれと思ってしたことが、実は各種数値に悪影響を与えているかもしれません。例えば…
- ●激しい運動をする
尿酸値が上昇する
- ●急に極端な糖質制限をする
血糖の調整機能が普段通り働かなくなる
現状を正しく把握するために、直前は普段通り生活することが大切です。余裕をもって生活習慣の改善を始めましょう。
健康は資産!
受診の目的を確認しよう
健康診断は、身体のさまざまな異常を早期発見し、深刻な状態になる前に対策を行うことを目的として実施されるものです。人生100年時代において、健康な体は最大の資産であり、健康診断は「資産の点検」ともいえます。ぜひ、今後を見据えた対策を始めるきっかけにしてください。
改善は身近なところから
始めると◎
今年の健康診断を機に、よりよい生活習慣を身に付けたいけれど、何をしたらよいか分からない…。そんな方は、「毎日体重計に乗る」「茶碗を今より小さいサイズに変える」「1駅分歩いてみる」など、日常生活の中で改善できそうなことに挑戦してみましょう。
「春の健康診断の結果にドキッとしたけれど、何も対策を始められていない」という方も多いのでは? 実際、長引くコロナ禍で運動不足に陥り、体に変化が起きている場合もあると思います。そこで今回は、読者の皆さまが特に気になるであろう「血圧」「血糖値」「中性脂肪」についての解説や注意点をお伝えするので、この機会にご自身の診断結果を見直してみてください。
年齢とともに上がりやすいけれど・・・血圧
血圧って?
血管に加わる圧力のことで、二つの要素で変動します。一つ目は「心臓から送り出される血液の量」で、肥満や塩分の取りすぎで増加します。二つ目は「血液と血管との間の摩擦」。血管が硬くて狭いとき、もしくは血液がドロドロになったときに大きくなります。
要注意パターンを知っておこう
多くの人は、年齢とともに徐々に血圧が上がっていきます。特に、短い期間で急激に上昇した場合や、年齢が若いうちから基準値を超えてしまうような場合は注意が必要です。また、早朝や夜間に血圧が高くなるため健診で発見されにくい「仮面高血圧」の方もいます。家庭でも血圧を測ると、より正確に体の状態がわかります。
知らぬ間に進行しているかも?血糖値
血糖値って?
血液中のブドウ糖の濃度を指します。ブドウ糖 は体の組織のエネルギー源となり、人体には欠かせないものです。しかし、多すぎると血管の壁を傷つけてしまい、さまざまな器官に不調をもたらす原因となります。
「空腹時血糖」以外もチェック
ブドウ糖は、すい臓から分泌されるインスリンがないと細胞に入ることができません。そのため、インスリンの分泌量が不足していたり、肥満等でインスリンの働きが悪くなったりすると、高血糖になってしまう恐れがあります。併記されている「HbA1c」は、過去1〜2か月の血糖値を反映する値なので、こちらもしっかり確認しましょう。
血液ドロドロの元になる!中性脂肪
中性脂肪って?
血液中や肝臓などに存在する脂肪の一種です。多くなりすぎると、血液の粘度が高い状態になってしまいます。また、中性脂肪の値が高いと、体によい働きのある善玉(HDL)コレステロールの値は低くなる傾向があります。
値がよくても油断は禁物?
実は、中性脂肪は直近の食事内容に大きく左右されます。健康診断前だけヘルシーな献立を心がけたら、結果報告書上の中性脂肪は基準値に収まるかもしれません。しかし、エネルギー過剰な食生活に戻れば、脂肪が体内に蓄積されていきます。健診の直前に無理な行動をするより、普段の生活に健康的な習慣を取り入れることが大切です。
健康診断は、「体」という最大の資産を点検する大切な機会といえます。特に、血圧・血糖値・中性脂肪は、ご自身の体の状態を知るための大切なバロメーターであり、生活習慣を変えることで改善が期待できる項目です。ぜひ、無理なく続けられそうなことから、改善に取り組んでみましょう。